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◆メガネから見える人生

◆メガネから見える人生
〜シナリオ「魅力ある叔父さん」〜
いつもの自作自演が💦
明日、シナリオ教室の課題締切……課題を溜めた私が悪いのですが……
数日間でシナリオ10本を書くのは、さすがにキツイです。

しかし、救世主っているんですよね。
『シンクロちゃん』の時も、シナリオが1週間で書けたのは、キャラが立っている実在の人物がいたから。

今回も、ある方を思いだしたのです!
課題は「魅力ある叔父さん」。
魅力ある~で一瞬で閃いた方。

明け方、1時間ほどで一気に書き上げ……先ほどご本人にご承諾いただきました。
制限ページ、ピッタリに書いたのが以下です。

課題の条件は2つ。
① 魅力あるキャラクターを表現する
② 叔父さんというポジションを、直接説明せずにセリフで間接的に表現する

どこまで事実で、どこからフィクションか……ご想像にお任せします(笑)。

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★タイトル:メガネから見える人生

人物
熊谷達也(19)医学部浪人生
熊谷真(39)真眼鏡店の経営者

○北海道大学・構内(昼)
「平成30年度 医学部 合格発表」と書かれた掲示板に、若者が群がっている。
周囲よりひと際背の高い、黒縁のメガネをかけた熊谷達也(19)が掲示板を見ている。

○真眼鏡店・外観(昼)
通りより少し奥にある、隠れ家のような雰囲気の店に「真眼鏡」の看板が立っている。

○同・中
黒い革パンツを履いた熊谷真(42)が、メガネが陳列された棚を拭いている。
真の顔、クローズアップ。
大きな額縁のような真四角のカタチで、凝ったアンティークゴールドのメガネをかけている。
ドアが開く音がして、振り返る真。

真「お~達也、どうだった?」
達也「………」

達也の細い首がうなだれている。

真「メガネを変えろ! メガネは人生を変えるぞ」

達也、顔を上げ、思わず吹き出す。

達也「何そのメガネ! ていうか額縁だろ」
真「そう! メガネはアートなんだ」

真、右目のフレームの横にある突起を押す。
フレームの奥から黒いレンズが出てきて、右目を覆う。

達也「いや、それ目が見えないでしょ……」
真「ふふふ。私はブラックジャックだ! 私の手術に不可能はない!」

達也、爆笑する。

真「たかが人生なんてメガネで変わるんだよ」
達也「真さん、何でいつも前向きなの?」
真「まぁ、座れよ」

と、奥の客席ソファーに促す。2人、アンティーク調のソファーに座る。

真「こう見えても、オレは昔、人からどう見られるか気にしてばかりいた」
達也「ウ、ウソでしょ? 」
真「ほんとさ。今では周囲に、オレは必ず火星に行くって触れ回っているけどな」
達也「行けなかったらって思わないの? 」
真「昔の俺だったら思ってたな。失敗が怖かった」
達也「俺、医者になるって言ったけど、2回も落ちて……」

真、右の壁に飾ってある写真を見る。真ともう一人の男性が山の頂上にいる。
真のかけているメガネ?は、女性が後ろから目隠ししているかのような指。

真「見ろよ。アニキと一緒にエベレスト登頂に成功した時の写真だ」
達也「父さん……。ていうか、真さんのメガネ、何?手?」
真「メガネはアートだって言ったろ。あの1年前、オレ、借金だらけでさ。FPの資格を持っているのに」
達也「それは笑えるね」
真「この先どうしようかと悩んでいたとき、アニキに言われたんだよ
オマエ、本当にやりたいことをやってみろよって。
本当にやりたいことをしてあげないなんて、自分を粗末にしているって。やりたいことやってみろよ」

達也「父さん、いいこと言うな」
真「うん。それでさ、エベレストに登りたい!と言って一緒に行った。
あれから人生変わったよ。日本に戻って、このメガネの店を始めた。
世界が一変して見えたあの感動が忘れられなくて。
メガネから見える風景が人生を変える。そんなフレームを、オレは提供したいんだ」
達也「お~、かっこいい!」

真「それがアニキの残してくれたことだな。それから数年して、アニキは癌だとわかった……」
達也「俺、父さんを癌で亡くした時、絶対に命を救う医者になる!って思った」
真「それがお前の本当にやりたいことだろ」

達也、決心を固めたように頷く。

真「よ~し、未来のブラックジャックにメガネをプレゼントするよ」

真、達也がかけていた黒縁のメガネを外し、自分のかけていたメガネを達也にかけた。
(終わり)

本当は、最後の一行に
達也「いや、ブラックジャックって医師免許ないやん!」

というツッコミを入れたかったんですが、制限ページいっぱいで無理でした。
どこか1行減らせばできないこともなかったのですが、その時間もないほど次の課題にとりかかりました……

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