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手強い問題を幸せの道具にする 山口明子

10年ほど前、『手ごわい問題は、対話で解決する』というタイトルに惹かれて、
紛争ファシリテーター、アダムカヘンさんのワークショップに参加したことがあります。

英語ぜんぜん分かりませんが、
「アダムさんのお側で、同じ空気を吸ったりはいたりしてたら、何かがわかるかも」
と思っていました。

手ごわい問題を対話で解決する方法は、よくわからないままでしたが、
その後もずっと、
問題にみえることを使って、みんなが今より幸せになるにはどーしたらいい?
自分自身のいのちに震える感動や幸せは、人ならば誰もが等しく受け取ることができるはず、
とも思ってきました。

歴史に残るような一年だった今年、
私にとっても、ずーっと追い求めた、手ごわく複雑に見える問題を、
幸せの道具につかう道に答えをみつけた1年になりました。

それはまるで、過去世で別れた恋人にようやく再会したような気持ちです。
メンターからは「あっこちゃん、転生したね」と言われましたが、
本当に1回死んだような感じがいたします。

 

この手ごわく複雑に見える問題を幸せの道具に使うやり方は、
「10秒スイッチにできる!」
と早速グミ員(私の講座生さんたちのことです)と幹部会議(笑)

で、その奇跡がすごいのです。

チームゆるりの1人、保健室の先生のえりさんは、
生徒さんのこじれたイジメ問題に悩まされていました。

話を聞く限り、何度職員会議を重ねたところで、解決する方法が見出せる感じはしませんでした。

えりさんは、自分の意識が変われば、流れを変えられるからと、
あれこれ試していましたが、イマイチ大きな変化はないまま、問題はこう着状態が続いていました。

私の話を聞いたえりさんは
「これが究極の10秒スイッチだ!」
と実践。すぐに会議の内容が一変しました。

これまで、全くかみあわないと思っていた男性教諭が
「このイジメの問題は、本当は、私たちのあり方が問われているのかもしれないですね」
と発言。

イジメ問題に関わる生徒の保護者は、
学校への不信から教職員が我が子に関わることを一切拒絶していましたが、
「先生がたを信頼して、協力し、うちの子をお任せします」
と態度が一変。

イジメの被害者になっていた生徒は不登校になっていましたが、
今では元気を取り戻し、短時間ながら登校できるようになりました。

「勉強がしたい」と先生たちに話しているということです。

イジメ問題はどうなっていくのかは、まだ未解決です。

でも、この問題を通して、先生がたの中に、

「生徒たちの問題だと思っていたことが、実は自分の内面が創り出していたのかもしれない」
「生徒たちが目の前で見せてくれているのは、これまでの自分の傲慢さの現れではないだろうか」

という今までになかった視点と、
学校内のチームワークが再認識されていくという、今までにない流れが生まれています。

私が社会に生み出したいこと
「問題やその当事者に見える人を裁かず、切り離さず、自分の内面を問い、全員で恩寵を受け取る」
対人援助の現場に、この視点をスタンダードにしたいという長年のヴィジョンが、
教育現場で瞬く間に現実化していることに驚き、感動しています。

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